第10章 大人の階段昇る
【 翔side 】
...雅紀の家の風呂に入った。
...雅紀の匂いが微かに残るスエットを纏うと、
なんだか、何も考えられなくなる...
今日の俺は、すげー覚悟を持ってここに来た訳でもない。いや、寧ろ、何の考えもなかった、と言う方が正しい。
いろいろ考えすぎないで、自分の思うまま...
またダメだったらどうしよう///
って、ついこの間まではそう思っていたけど。
雅紀を傷つけちゃうんじゃないかって...
だから、出来るだけ、距離を置いていたし、
キス以上に進めないようにしてた。
...でもね。
実は、先日クラスの友達と寄ったマックで、
偶然智に会ったんだ。
友達と別れてから、智と公園で少し話して...
雅紀とは、最近どうなの?って聞くから、
思い切って、今のふたりのことと、
自分の気持ちを智に話した。
そしたらね、智が、
「もし、やっぱダメだ...ってなっても、
雅紀は受け止めてくれると思うよ~
それより、そう思いながらも、翔が先に進もうとしてくれてることに感動するって///」
...だから、気負わないで、ヤッてみろよ...
って。
俺は、そんな智の言葉で、肩の荷が下りた、っていうか。気持ちがスーッと軽くなった。
怖くなったら、そう言っていいんだ...
待っててもらってもいいんだ...って。
......ホントに、そうだな。
雅紀はきっと、分かってくれる。
そんで、今の俺たちにできる愛し合い方で、
俺のこと包んでくれる...
そう思った。
智のそのアドバイスで、今夜、
俺は今までで一番、平常心でいられる。
寧ろ、キョドってる雅紀のこと、
可愛い❤って、そう思う余裕もあるみたいだ。