第10章 大人の階段昇る
【 翔side 】
今夜俺は、雅紀と雅紀ん家でふたりっきりだ。
こんな展開になったら、
凄くドキドキするんだろうと思っていたら、
不思議なくらい落ち着いてて、
で、何だか雅紀に早く触れたいな...
なんて思ってる自分がいて。
だから、泊まってもいい?
って聞いたんだ。
触れてはみたい...
でも、その先は...
自分でも分からないんだ。
雅紀と愛し合いたいって思う自分と、
その先へ進むのが怖いって尻込みしてる自分...
...でも、いつか、どこかで、
その殻を破らなくちゃ...
雅紀とは、ずっと結ばれることなんかない訳で。
「翔、食べよっか♪」
「うん!食べよう!...腹減ったぁ~」
俺たちは、他愛もない話をしながら、
買ってきた牛丼を食べた。
食後、簡単に片づけて、リビングでくつろいでいた。
「翔...風呂、入れば?」
雅紀の提案に、ちょっとドキッとしたけど、
それは気づかれないようにした。
「うん...そうしようかな~」
「じゃあ、こっち来て...」
雅紀に案内されて、風呂場に行くと、
タオルと着替えが畳んで置いてあった。
「着替えさ、俺のだけど...これ、着て~」
「うん...」
「じゃあ、俺行くね..」
なんだかソワソワする雅紀が可愛くて、
「一緒に入る~?」
なんて、言ってみた。そしたら、
「えっ?なっ、何?何言ってんの、翔..
かっ..揶揄うなよ~...」
って...真っ赤になって行ってしまった。
....ホントに、雅紀って可愛い❤
どうしてこんな日に、
こんなに余裕でいられるのか..?
自分でも不思議で仕方なかった....
.....なんか、俺今日、いけるかも...?