第9章 男同士
【 雅紀side 】
こんなに盛り上がったことが、
嘗てあっただろうか?...いや、ない!
↑反語ですか?それ..?
翔とのことを大切にしていきたい...
翔の気持ちを一番に考えたい...
それは今までも、今この瞬間も変わらない。
だけど....
でもさ...
勘違いじゃないよね?
翔も、俺と同じ気持ち...だよね??
だって、俺を見る目が、熱く潤んでる...
.....振り返って、翔の顔を見た。
ほら...その目..その顔....
「愛し合いたい!!」
上手く言えないから、
気持ちを直球で翔に伝えた。
翔は、下を向いて、小さな声で、
「...俺も...」
と言った。
.....何かが、俺の中で弾けた気がした。
俺は、翔を強く抱き締め、唇を重ねた。
上下の唇を軽く吸い啄むように擦ると、
翔から小さな甘い吐息が漏れる。
「翔..舌...出して...」
そう言うと、彼は微かに震えながら、
赤い舌を差し出した。
それを絡めとり、優しく舐め合いながら、
咥内に入り込むと、
翔もそれに応えて、遠慮がちに、俺の舌を吸った。
もう.....止められない...
今まで抑制していた思いと、
翔への気持ちが一気に溢れだし、
身体中を駆け巡った。
でも.....
だけど.....
俺は、こんな状況になったけど、
もう一度だけ、翔に確認した。
「...翔..ホントに、いいの?」
「......うん..」
真っ赤になりながら、
やっと答えた翔が愛しくて堪らない!
俯く翔の身体を抱き上げて、
ベッドにそっと下ろすと、
俺を見つめる大きな黒い瞳が、不安げに揺れた。