第9章 男同士
【 翔side 】
俺は雅紀に手を引かれて、自分の部屋に行く。
いつもは、修がいつノックもなしにドアを開けるか分かんないから、階段を上がってくる音に耳を澄ませながら、そっと唇を重ねたくらいで、
それ以上のことはまだない。
...雅紀と一緒に過ごす時間が、増えれば増える程、
雅紀のことを好きだって、そう思う気持ちが、
どんどん大きくなって...
それはイコール、雅紀にもっと触れたいって、
そう思う気持ちも膨らむわけで...
好きだから、触れたい...
触れたら抱き締めたい...
...もっと雅紀を知りたい...
そんな思いが、俺の中でどんどん大きくなっていってて、
雅紀には絶対言えないけど、
俺、この頃部屋で一人でするときは、
雅紀の笑顔とか、キスしてるときとか、
...雅紀のことを思って、...シてた。
それにさ、さっきの雅紀の顔...
あんな男の顔...いつもしないのに。
リビングのノクターンから遠ざかって、
ドアの向こうは音のない、
怖いくらいに静かな部屋...
ヤバイ/////
絶対俺の心臓の音、雅紀まで聞こえてる。
俺の手を引いた雅紀が、
向こうを向いたまま、ふぅーっと肩で大きく息をした。
....俺の緊張と、雅紀の緊張が重なって、
俺の部屋は、異様な雰囲気になってる...
.....どうしようΣ(-∀-;)
逃げ出したい////
すると何かを決心しました、って顔の雅紀が、
俺の方に振り向いて、
「翔....俺...俺さ...
...あ───っ////もう////」
雅紀は俺の手を引き寄せて抱き留めてから、
「俺、翔と愛し合いたい!!」
と言った。