第9章 男同士
【 翔side 】
雅紀が、俺ん家に来てくれることになった。
外で会ってもいいんだけどさ、
部屋の方が人目を気にしなくていいし。
...って、別に人に見られて困ることもないけど~...
自分自身に言い訳してるのに気付いて、
俺は苦笑いした。
「今から、雅紀が遊びに来るんだ」
母親に言うと、超喜ぶかと思ったのに、
「あら、どうしましょう!母さん、これから修の歯医者さんとスイミングなのに~」
...えっ?
留守なの...?
「あっ...そうなんだ...直ぐ帰るんだろ?」
「それが、用事があって病院の方にも顔出すから、急いでも3時間は帰ってこれないの...」
......3時間...(-"-)
マジかよ///
「じゃあ、夕ご飯一緒に食べましょ?
買い物もしてくるから!」
「あっ...うん...」
「ましゃき、来んのぉ~?」
修も雅紀が大好きなんだ。
そこへ、丁度チャイムが...
...あっ、来た!!
「ましゃきぃ~!!」
玄関に修がすっ飛んで行ってドアを開けた。
「こんにちは、お邪魔しま~す!」
久々に見る雅紀の笑顔に、俺はドキッとしてしまう。
「いらっしゃい...」
「翔...」
しばし見つめ合う俺たちに、小さなライバルが、しっかり抱っこされながら、
「ましゃき!ごめんなさいね~...僕今日、
遊んであげられないの~(*´з`)」
と雅紀の顔を覗き込んで言ってる。
「えっ?そっ..そうなの?」
「お出かけなの!」
そこへ準備をした母親がやってきて、
「雅紀くんいらっしゃ~い。
用事で留守にするけど、ごめんなさいね...7時前には帰って来るから、帰らないで待っててね!
ご飯一緒に食べましょう~♪」