第8章 イノセント
「...雅紀、ありがとう...
...えっと...どうぞ...宜しく..お願いします」
翔は、顔を赤くしながら、俯いてそう答えた..
「翔!!!嬉しい///やった!!」
俺は翔の身体を抱き締めた。
......緊張から解き放たれた俺は、
もう言葉で言えないくらいに、感動と感激と、いろんな感情が押し寄せて来て...
......この喜び、どうすればいいかと思っていた俺は、翔が俺の肩に額をつけ、すん..と小さく鼻を啜ったのが分かった。
俺は翔の両肩を掴み、顔を除き込んで、
「翔...こっち向いて?」
と、急いで袖で涙を拭いながら言った。
「......」
「翔...顔...見せてよ..」
「...やだ...」
顎に指を掛け、少し強引に翔の顔を上向けると、
翔は大きな目から一粒、涙を零した。
「...泣いてるの?」
「だって...雅紀が温っかくて...嬉しくて..俺」
......(≧▽≦)もう!!!可愛すぎる///
こうなったら、がっついてるみたいで嫌だったから、今日は止めようと思ってたけど...
「翔...ちゅう...したい」
「...だめ..」
長い睫毛を伏せる彼が、ドキドキする程綺麗だ。
「したい...だって、智としたって///」
「あれは、だって///」
「この間も、女の子としてた///」
「あれだって、向こうが勝手に...」
「......翔...目..閉じて」
......
ゆっくりと目を閉じた彼のぽってり赤い唇に、
俺は初めて口づけた。
......そっと触れただけのそれは、
ふんわり柔らかくて、そして、
少しだけ震えていた...