第8章 イノセント
「......」
俺の言葉を、じっと聞いている翔の目は、
キラキラと光を集める。
「...離れてても、忘れたことなんかないよ...
あの事件のこと聞いたとき、
悔しくて、苦しくて、毎晩眠れなかった...
翔が、どんな思いでいるんだろうって...
そう思ったら、居てもたってもいられなくて、
翔の家に何度も行った...でも、
どうしても会いに行けなかった...
俺が行くことで、もっと傷着けてしまうんじゃないかって...
そう思ったり...
でもそれも、今は後悔してるよ...
無理にでも翔の側に行って、
一緒に居てやればよかった...
泣いても、わめいても...
翔の気が済むまで、側に居てやればよかった...
一人で苦しんでいたこと...ちょっと考えれば分かんのにさぁ...なんで俺、支えになれなかったんだろう///」
この時には、もう、俺恥ずかしいくらいに、
すんげえ泣いてて...
なに言ってるのか、もう分かんなくなってて///翔は、そんな俺の事、じっと見てた。
「翔、これからは、何があっても...いや、何もなくても...ないだろうけど....
あ─もう////とにかく!
俺が、翔のこと、守るから...
俺の命に変えても、翔のこと、守るから!
...だから...俺と付き合ってください!」
「...雅紀...俺、もう前の俺じゃないよ...」
「そんなことない!!俺にとっての翔は、
いつも変わらず、ずっと綺麗なまんまの翔なんだよ///」
「...付き合うって言っても...変わんないよ..?」
「それでもいい!毎日俺が翔の傷を癒してやる。」
「どうやって~?」
「...傷を...舐め捲る///」
「なんか、エロいわ///」
翔が笑った...屈託のない、穢れのない笑顔だった。