第8章 イノセント
そんな他愛もないやり取りが、
何だかくすぐったくって、
嬉しかった。
俺がデレデレと鼻の下を伸ばしてると、
奥の席から、
「雅紀~..翔~!」
声を掛けてきたのは、カズだった。
「カズ...」
翔の顔がパッと綻んだのを見た俺は、
正直、少し面白くなかった。
折角、ふたりっきりで
デート気分だったのに('ε'*)
まあ、でもカズも友達と一緒だし....
いっか...
「今日退院なの?おめでとう~♪」
キャラメルフラぺチーノの飲みかけを持って、カズが翔の隣に腰掛けた。
.....翔と同じの、飲んでるし...(-.-)
しかもさ、何で隣に座るんだよ~///
翔と仲良くふたりで『スタバデート♪』
の計画が....
「カズ~、友達、いいの?」
「あ~..いいのいいの♪あいつ等とは、
しょっちゅう来てんだから。」
....そーかよ<(_ _*)>
俺の気も知らないで、
カズは隣の翔と密着気味に、
やたらと髪型を褒めている...
「一瞬さぁ、誰か分かんなかったよぉ//
ぜんぜん、その方が翔らしくっていいよ♪」
....そんなの、俺がとっくに言ったし///
「そうかなぁ~...ちょっと違和感だったよ」
....あっ!!触ってるし///
も~う///何度も撫でてるんじゃないよ!
イライラとはらはらで、
無言になってる俺を、カズはちらっと見て、
「で?...ふたり、付き合うことにしたの?」
『ブ───ッ////』
思わずモカフラぺチーノを吹き出す俺。
「なっ、な..何、言ってんの?」
焦る俺に、カズはしれっと、
「あれっ?違うの~?...なぁんだ~俺、
遠慮してたのに~♪」
....全然遠慮なんかしてないじゃん!