第1章 きらきらひかる
僕は翔くんに、
「弟いるけどさ、うるさいし、
すぐ泣くし、僕のお菓子食べちゃうし...
ひとりの翔くんの方が、絶対いいよ!」
翔「ふふ、そうかなぁ...」
ついそんなこと言ってみたけど、
祐介のこと、そんなふうに言ってしまって、
僕は、
また、胸が、痛くなった。
翔「そう~?でも、僕も兄弟欲しいな..」
プラレールの踏み切りが鳴り出すのを見たまま、ボソッと言った翔くんに、
「じゃあ、僕がお兄ちゃんになるよ!」
身を乗り出して、大声でそう言ったら、
翔くんが、急に僕の方に振り返るから、
一瞬で、
翔くんの口と、僕の口がぶつかった。
....えっ!?
これってば....?
ち、ち、ち...ちゅう...だよね??
翔「あ...ごめん..」
「.....うんん...」
ドキドキして、さっきキュッてなってた、
心臓がね...ドキンドキンしてて...
すると、翔くんはほっぺを赤く染めて、
翔「ママじゃない人とちゅうしたの、
初めてだ...僕...
ま~くんが初めて❤....ま~くんは?」
「...僕だって、は、初めて、だよ..」
なんか、ムキになって答える僕に、
翔「初めてどうしだね♪」
「.....うん..」
.........ちょうどその時、閉じた踏み切りを、総武線が通って行った。
ほんのちょっと、くっついただけの、
翔くんの口は、凄く柔らかくて、
僕は、顔が熱くなって、
....なんか....変だった...
......これが、僕の、
ファーストキス....
なんだよね...
大きくなっても、
忘れられなかった、このキスが...