第8章 イノセント
翔を助けて恩を売った気にでもなってたのか?
...そんな気持ちで、翔の後を追いかけた訳じゃない。
何があっても、どんなことをしても、
彼を取り戻したいって...
翔のこと、助けられるのは俺しかいない!
怪我も覚悟して...
もしかしたら、怪我じゃ済まないかも...って、そうも思ったけど、
それでもいいから、って決心してたじゃないか///
...翔が何て言おうと、どう思おうと、
俺の気持ちは揺るがない...
「...ありがとう...お陰で目が覚めたわ!」
「そう来なくっちゃ///」
潤がキラキラの笑顔をくれた。
「やっといつもの雅紀らしくなった~」
カズも笑った。
「雅紀がいらないんなら、俺が翔のこと、貰いに行くよ~...ちゃんと捕まえといてよ~」
智......
ほんとに、ありがとう...みんな...
見失いかけてた..
こんなことくらいで、
翔の気持ちに寄り添いたいって、
そう思ってたのに...
ウジウジして...俺。
今更、何を悩むことがあるんだろう...
翔が、深い深い悲しみを抱えているなら、
その悲しみごと全部、
引き受けて、包むって決めたじゃないか///
ずっと明けない夜の闇で、
彷徨っていた彼の心を、
もう怖くないからと、
解放してやるのは、
時間が掛かるのかもしれない...
それでも...
俺は、彼の側にいる…
時間が掛かっても構わない。
翔のこと、俺が守って支えていく。
改めて、自分の強い気持ちを再確認できたことは、俺にとって大きな一歩になった。
明日、翔が顔を出してくれるのが、
待ち遠しくさえある....
「ありがとね、みんな..」
俺の言葉に、3人は揃って親指を立てた。