第7章 変わりゆく自分
「止めろ──っ///
翔に触んな...
翔!!もう、自分を卑下するのは止めろよ...
翔...俺が...」
「てめぇ、うっせーんだよ///」
長瀬くんが雅紀を殴った。
無防備な雅紀の身体は、壁まで吹っ飛んだ。
するとそこにいた、傍観していた他の仲間も加わり、雅紀は殴られたり蹴られたり...
無抵抗の雅紀の身体は、
人形みたいにされるがままだった。
(雅紀!!雅紀!!止めろ...)
そんなにされている中で、雅紀は俺を見た。
......悲しい目をして...
俺のことを見ていた。
真っすぐなその目は、俺を助けたいって...
...助けられなきゃヤバいのは自分なのに、
雅紀は、俺を助けたいって、そう叫んでいた。
「おい~♪そんなにやると、死んじゃうよぉ~」
リーダー格の奴がそう笑った。
...雅紀...
雅紀......
もう止めてくれ...お願いだから...
「止めろ──っ///」
気が付いたら、俺は雅紀と仲間の間に割って入って、雅紀の身体に覆い被さっていた。
「何だよ?櫻井...」
俺は、ぼろ雑巾みたいな雅紀の身体を抱えて、
「....そのくらいにしてやってくれよ...
もう、二度と、来ないようにするから...」
「お前がそう言うんなら、別に構わねえけど...」
おもちゃを取り上げられた子供のように、
みんなそこから散っていった。
俺は、雅紀の身体を支えて、玄関に向かった。
.........
こんなになっても...
雅紀...
お前...
......バカだよ...
涙が、溢れて床に落ちた。
それを誰にも気付かれないように、
俺は雅紀と、仲間のマンションを出た。
......心と、
身体が、
鉛のように重かった。