第1章 はじめまして太陽さん
次の日も、そのまた次の日も、千歳くんは学校に来なかった。
私の手元には千歳千里と書かれたノートが。
(早く渡しちゃいたいな〜…)
「おーい!!!」
いきなり廊下の方から私の名字を呼ぶ声が聞こえた。
『あ、忍足。』
声の主は忍足謙也。
2年の頃、同じクラスだったからちょっと仲良くなったってだけ。
『なんか用?』
「いや〜千歳おらんか?千歳!」
『今日は来てへんみたいやけど…』
「さよか〜…」
あ、そうか。忍足は千歳くんと同じテニス部か。
『テニス部のこと?』
「そうや。もう三日前の朝練から部活来てへんのや…白石かんかんやで。」
『はは…白石くんは大変やなぁ…』
「そういうことや。
千歳来たら放課後テニス部来るように言ってくれへんか?」
『えぇで。』
「堪忍な〜!ほな!頼むで!!」
まぁ…来ないと思うけど…
心の中でそう思った。