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太陽と向日葵【テニスの王子様】

第3章 少しずつ、知っていこう





あれから図書室に向かった。

日菜子が言ってくれなくちゃ、たぶん忘れてた。





『…失礼しまーす…』



鞄を持って、図書室に入った。


(あれ、カウンターに誰かおる…)




今日は2人制だったのか…




『あの、遅れてすみま、せ…あれ?』


「あ…」





カウンターに座っていたのはテニス部の子だった。

ほら、門でばったり出くわしちゃったあの子。めっちゃピアス開けてる子。




『…ど、どうも…』


「…ちわっす…まだ始まる時間やないですし、遅れてないっすよ。」


『あ、よかった…』




鞄を床に下ろし、彼の隣の席に座る。






「…図書委員やったんですね。」


『え、あぁ…そうやで。』


「俺、財前光。2年っすわ。
あんたは確か先輩でしたよね。」







(…か、彼が財前くん…)



『せやで。です。
私、財前くんと話してみたかったんや。』


「俺と…?なんでですか?」


『あー…いや、忍足とか千歳くんがな、私と財前くん似てるって…』


「…なんかそういえば、俺もそんなこと言われましたわ。謙也さんに。」


『あはは…そういえば忍足、めっちゃ財前くんのこと褒めとったで?』




去年とかよく聞かされた。
「財前はな〜天才なんや!」とか言ってたっけ…




「あの人…勝手にペラペラ人のこと言うのやめてほしいっすわ…」



そう言って財前くんは眉をしかめた。


『財前くん大変そうやなぁ…
…あ、ごめんバカにしたわけやないで!?』


「いやほんま大変なんで…
常識人が少ないんっすわ。」



『……私でよかったらいつでも相談のるで?』



「はい。頼らせてもらいますわ。」








そしてしばらくテニス部のことを財前くんと話してた。


ほぼ愚痴だったけど、どこか彼は楽しそうだった。






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