第3章 少しずつ、知っていこう
(……私のおかげ、か…)
まぁ悪い気はせぇへん。
でも千歳くんの放浪ぐせはなかなか直らないと思う。ていうかしょうがないんだと…思う。
いつもより帰るのが遅くなってしまったが、帰り道は何一つ変わっていなかった。
(…変わっとるよなぁ…千歳くん…)
この何も変わらない帰り道を見て、彼はどう思うのだろう。もしかしたら“つまならない”そう思うのかもしれない。
毎日同じ。
それが面白くないのかな。
…ていうか最近千歳くんのことばっか考えてる。
まったく…
もとから世話焼きなところはあったから…
だからだ。
(……今度忍足になんか奢らせよ…)