第2章 友達になろう
席に戻ると、千歳くんが驚いた顔をして私に話しかけた。
「さん、謙也と知り合いだったと?」
『せやで。去年同じクラスになって少し仲良くなったんや。』
「へぇ…少し意外…「千歳くん!」
千歳くんの隣の席の日向さんだ。
「ごめんね邪魔しちゃって…これ、先生に預かってきたんやけど…次の授業で使うプリント。」
「あぁ、ありがとう。」
千歳くんがそう言うと狙ったかのようにチャイムがなり、私との会話は途切れた。
千歳くん最後なんて言おうとしてた?
たぶん少し意外って…
あ〜…確かに。
忍足と私って少し意外かも…
私ってどっちかというと暗くて目立たないから…それに比べて忍足はやかましくて目立つからなぁ…あの髪色も。
(…去年のあれからやな…忍足と仲良くなったのは…)
…………
4月に初めて席替えをした時のことだった。
「…さん、ノート綺麗やな!!」
隣の席の忍足くんが私にいきなり話しかけてきた。しかも勝手に私のノート見て。
『お、おおきに…』
「ほんま綺麗や!字も絵もうまくて羨ましいわ!」
『…まぁ、ノート書くのとか、嫌いやないから…』
「へ〜…俺は苦手やからなぁ…
あ!なぁさん!!」
『…何?』
「ポスター書いてくれへん!?」
『…ポスター…?』
なんでも、彼はテニス部に所属しているらしく、新入部員募集中!とかいうポスターが欲しいらしい。
『…別にえぇけど…』
「え!?ほんま!!?おおきにさん!!!」
そう言って私の手をぶんぶん振る彼に少し笑みがこぼれた。