第1章 _翔×にの
-和side-
翔さんの手に自分の手を重ねると
翔さんが指を絡めて握ってくれた
翔「和、顔赤い」
かわいい、という言葉に耳をもっと熱くする
他のメンバーに言われると、ちょっとイラッとするけど
翔さんは違う
翔さんに言われると、耳が、心が、蕩けそうになる
翔「あー、もー、ほんっと可愛すぎ…我慢できなくなるし……」
ぼそっと翔さんが呟く
和「………駄目です、」
翔「…わかってる。俺も和とちょっとでも永く居たいから」
繋いだ手に少し力が入る
俺だって、翔さんと、したい
前みたいに、濃く、深く、……
でも、
激しい運動をすると発作が起こりやすくなる
翔さんはそんな病気だ
寿命だって、もう半年も…、
和「翔さん、」
翔さんの唇に軽くキスする
和「ごめんなさい…これで我慢してください」
翔さんから離れて、俯く
翔「ん、満足」
翔さんはそう言ってにっこり笑った
満足なわけないのに…
その、翔さんのどこか寂しげな笑顔に、胸が締めつけられた