ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
ちょっとしょぼんとした智と一緒にスーパーへ。
幸い部屋には基本的な調味料はおいてあったからそれらで作れるものを考える。
仕方ないけどオーブンがないから基本、煮るか焼くか蒸すか…あとは揚げるかだな。
「智、なに食べたい?」
返ってくる答えはわかってるけど一応聞いてみる。
「えー、潤くんがつくってくれるならなんでもいいよ?」
…やっぱり。
この答えが一番困るんだけどね?
あれこれ買ってあの空に近い冷蔵庫を食材で埋めてしまいたいという欲望を抑えて必要最低限なものだけ籠に入れて会計を済ませる。
ずっしりと重いビニール袋を提げて二人でマンションまで戻る。
他愛のない話をしながらのこの時間がすごく貴重に思える。
普段だって何でもない話をしないわけじゃないけど…ついつい仕事の話になっちゃうんだよね…。
下手するとカンファレンス状態…。
それが悪いわけじゃないけど…たまにはその緊張感から抜けたいと思うわけで…。
「智兄、今日明日はオンコールないんでしょ?」
いつ呼び出しがかかるかわからない職業だから、確認してみる。
「うん、ないよ?
先週は一応、オンコール対応出来るようにしてたけど…今週はなしにしてもらった。
だってさ、そうしないとこっちの病院で対応出来ないもんね?」
そう言い切った顔は医師としての厳しさを湛えていた。