第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー

強気に出る俺に目をうるうるさせて訴えてくる智…。

もう…うちの長兄は…。


「そんな目してもダメ。

　外科が忙しいのは知ってるけどさ智にしても和にしても食に興味無さすぎ。

　そんなことだから二人揃って貧血で倒れそうになってるんでしょ？

　二人共貧血ブラックリストに載ってる自覚、ある？」


智と和は二人揃って、少食ではっきり言って食に対する興味関心が異常に薄い。

二人とも食べなくて済むなら食べないって感じでそれぞれ時間があれば趣味の世界に没頭してる。

体力を必要とする外科医なのに…。

だから俺はなるべく二人が食べてくれるように日々格闘してるわけで…。

翔兄と雅兄はもともと食べるの大好きだし、何を出しても美味しいと食べてくれるから正直楽。

和は少食な上にかなりの偏食だから結構厄介。

俺は食べるのも作るのも好きなんだよね…。
だから作ることは一切苦にならない。

兄貴たちに美味しいものを食べさせたくて、外で美味しいものを食べたらみんなにシェアしたくて頑張っちゃう。

もともと自分が兄貴たちに出来る事ってことで始めた料理は今では俺の中で大事なものの一つになった。

俺が兄貴たちを守る大事な武器だから…。