ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
食にこだわりのない智兄だから心配だったんだ…。
覗いた台所は使われた気配がなく、ものすごく綺麗…。
冷蔵庫の中にはビールとヨーグルトのちいさなパックが幾つか…。
これって…そういうことだよね…。
「智…?これ…」
キッチンを指しながら声をかけると罰の悪そうな顔の智兄。
「ねぇ?ちゃんと食べてた?」
さっきまで、兄貴に叱られるのが怖くてちゃんと見てなかったけど…。
俺の質問に小さく頷く智兄。
「食べてたよ、ちゃんと。
潤くん心配症だなぁ」
そう言っていつものようにふにゃっと笑う智は東京にいた時よりも薄くなってる。
ぜってぇ嘘じゃん。
「心配にもなるよ、そんなに痩せられたらさ?
今朝何食べたの?
まさかヨーグルトだけとか言わないよね?」
ちらりとみたゴミ箱にあったのはヨーグルトの空バックだけだった。
「え?ちゃんとコーヒーのんだよ?」
いや、それ食ったうちに入らないし…。
「もしかしなくても…ブラック?」
「うん、牛乳、買い忘れたから」
それ、笑って言うことじゃないし…。
「智…しばらく食事に関しては俺の言うこと聞いてね?
これに関してはNOは聞かないかんね?」