ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
しばらくの間、沈黙が部屋を支配する。
結局、我慢できなくなったのはやっぱり潤くんで…。
「ごめん……なさい」
ようやく出た一言と一緒に握りしめた拳に潤くんの涙が落ちる。
「なにが『ごめんなさい』なの?」
ここは避けて通れないところだと僕は思ってるから…ちゃんと話さないとね。
「迷惑…かけた…」
「誰に?」
「……斗真…たち」
「そうだね?
そこはちゃんと東京に戻ったらごめんなさいとありがとうをしないとね?」
「うん…」
「ね、潤?斗真くんがさ『シフトが無茶苦茶だった』って言ってたけど、なんでそんな状態でスキーなんてしにきたの?
潤、疲れが溜まると喘息出ちゃうの自分でもわかってるでしょ?
それとも最近、発作出てないから…忘れちゃったの?」
そんなわけないのはわかってるけど本題に入る前の取っ掛かり…。
ちゃんと自分で話さないとね?
「忘れてない…だから…ちゃんと…。
だって…だって…!
智が心配だったんだもん!
電話くれないし、LINEだってなかなか既読つかないし!
ついてもそれだけだし…。
だから…顔見て、美味しいもの…食べさせたかったんだもん……」