ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「じゅ〜ん?
黙ったまんまじゃわかんないよ。
とりあえずなにか飲み物淹れてくるからそこ座ってて?」
備え付けられたダイニングテーブルを指すと素直に動く潤くん。
「コーヒーと紅茶と緑茶があるけど…
どれがいい?
って言っても全部インスタントだからうちで潤くんが淹れてくれるのみたいに美味しくはないけどね?』
「智兄とおなじので…」
「そ?わかった。
ねぇ、潤、まだ具合悪いの?
どっか辛い?」
「それは…大丈夫…」
そう言ったきり黙ってしまった潤くん。
貰い物のビスケットと一緒に淹れた紅茶のマグを持ってダイニングに戻る。
コトっと音を立てて潤くんの前にマグを置く。
その音に顔を上げた潤くんに微笑むと、潤くんも少し笑ってくれた。
ゆっくり椅子を引いて僕もテーブルにつく。
暖まった部屋で黙ったまま一息つく。
このままだんまりをしてたら…先に音を上げるのは潤くんだから…。
僕は潤くんの顔を見ながらゆっくりと待った。
マグを両手で包む潤くんはいつものキリッとした顔と違って、僕たちの知る弟の顔をしている。
末っ子の潤くんは見た目と違って実は結構な甘えん坊なんだ。