ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
宿代わりにしてるウィークリーマンションまでたいした距離じゃないけど…。
今の潤くんを寒い中歩かせるのは酷だから迷わず病院の正面玄関に待機するタクシーに乗る。
本当にあっという間にマンションの前に到着したタクシー。
会計を済ませて潤くんの手を引いて部屋に入る。
その性急さに不安そうな顔の潤くん。
部屋の中のエアコンのスイッチをいれる。
次いでに加湿器のスイッチもいれた。
「智兄…怒ってる?」
潤くんが小さな声で聞いてくる。
「なんで…そう思うの?」
まあ確かに怒ってなくはないけど…とりあえず暖かい部屋で潤くんを休ませてあげたいんだよね…。
今夜一晩様子をみて…問題なければ…お仕置き…かな?
なんて思ってる僕。
でもその前に少し甘やかしたい気持ちもあるわけで…。
僕の問いかけに小さなリビングの入口に突っ立ったままの潤くんが目を潤ませながら小さく『だって…』って呟く。
「『だって』なに?
潤、こっちおいで?
お話するときはどうするの?」
小さい頃、潤を叱った時のように敢えて小さい子に言うように話しかける。
「ほら、おいで?」
もう一度言うとトボトボというのがぴったりな様子で潤が僕の傍にきた。