ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
潤くんのいるベッドのカーテンをそっと開ける。
「じゅ〜ん?おまたせ。
先生、もう、帰っていいって」
中に入るとすでに帰り支度をした潤くんがいた。
ちょっとしゅんとした顔がかわいいと思ったのは潤くんには内緒。
「一応聞くけど…斗真くんたちと合流する?
それとも…うちに来る?」
答えはわかってるけど…一応聞いてみる。
「……智兄がいいって言ってくれるなら…智兄のところがいい…」
目を潤ませながら言う潤くんに僕が勝てるわけはない。
「よし、じゃ帰ろう?
ほら、荷物持つから頂戴?」
「平気…自分で持つ…」
そう言って荷物を持つ腕に力を込める潤くん。
「そう?じゃ、帰ろうか?」
手を差し出すと素直に手を重ねてくる。
カーテンの中だけだけど…こうやって素直に手を伸ばす潤が可愛くて仕方ない。
僕より背も高くて体もガッチリしてて、下手すれば僕よりもずっと大人に見える潤だけどやっぱり僕にとっては可愛い弟なんだよね。
だからこそ…きっちり叱るところは叱らないとね?
そんなことを思いながら受付で手続きをして、翔くんが東京から伝えておいてくれたメプチンを受け取って病院を出た。