ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
翔が一生懸命、潤を庇おうとしてるのはわかる。
翔にとって潤はかわいい弟だし、潤は昔から翔に憧れのようなものを抱いてる。
翔もそれを知ってるから、潤には甘い。
別に雅紀や和にキツイというのではなく、二人にも甘いけど…甘さの種類が違う。
だからこそ…無意識に庇おうとしてるんだろうけど…これは看過できないよ。
「翔?言いたいことはわかるけど、これは絶対にダメなことだから…。
駄目なことはダメってちゃんと教えるのは長男の役割だから…。
だから…この件は僕がきちんとするから…。
翔は口を出さないでね?」
受話器の向こうの翔くんが小さな声で『わかった』って言うのが聞こえる。
『でも…智兄…潤の気持ちもわかってやって?
潤さ、智くんがしばらくまともなものを食べてないだろうからそっちに行って驚かせたら、美味しいものを沢山食べてもらいたいってニコニコしながら斗真たちと出発したの。
疲れてても、無理にそっちに行ったのは智くんが大事だからだと思うから…。
そこはわかってやって?』
翔くんが一生懸命に訴えてくる。
その一生懸命さに少し冷静さを取り戻す。
「翔の気持ちはわかったから…。
とにかく任せて?
月曜の午後にはもどるから…」
それだけ告げると僕から電話を切った。