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ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー




「智くん…?智兄?」


受話器の向こうで黙ったままの智くん。
心配になって何度も名前を呼ぶ。


「智くん?……智!」


反応しない兄に焦れて珍しく呼び捨てで名前を読んだ。


『んっ、あ…あぁごめん…』


ようやく聞こえた声にホッとした。


「智兄…大丈夫?

 もしかしなくても…。

 めちゃめちゃ怒ってる…よね?」


『怒ってる…というか…』


歯切れの悪い智兄に被せるように言葉をつなぐ。


「あのさ…確かに約束を破った潤が悪いよ。
 
 それはさ、もう、倫理的にもコンプライアンスを考えても言い訳の余地はないけど…。


 でもさ…俺たちも気が付かなかったんだよ。
 
 潤がとんでもないシフトで働いてるの知っててその上、家事もいつも通りで…。

 潤の兄として気にかけなきゃいけないのに俺たちも…つい忙しさにかまけて…。

 だから…」


『翔…』


尚も続けようとした俺を遮るように智兄が短く俺の名前を呼ぶ。

いつもよりも低く若干冷たい声音に受話器を手にしたまま体が一瞬、ビクリと跳ねた。

…やばい…、これマジで怒ってる…。

普段、ほわほわしてて怒ることなんて無いというイメージの智くんだけど…そんなことはない。

頑固だし怒らせるとマジで怖い。

……潤…お前、久々にやばいかもよ?



 

 
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