ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
『で、どうしたの?
月曜日には帰ってくるんだよね?』
受話器から聞こえてくる翔くんの声に、目的を思い出した。
「うん、帰るよ。
あのさ、潤くんのことなんだけど…」
久しぶりの喘息発作の原因が掴みたくてこの2週間の潤くんのことを聞くつもりで電話したんだ…。
『お、潤、着いたんだぁ。
どうしても智くんに会いに行くってさ、ちょうど誘われてた斗真たちのスキー旅行に便乗したんだよね、あいつ。
ただ、かなり無理な勤務してたからスキー自体は程々にして温泉でも楽しんでって言っておいたの。
だから元気な顔でそっち行ったでしょ?』
翔くんの言葉になんとなく点と点が繋がった気分。
「来たことは来たんだけどね…。
こっちの病院の救急に発作起こして連れてこられたの…喘息の」
『え?ちょっと待って?
どういうこと?』
翔くんがいきなり大きな声で聞いてくる。
「さっき、医局に井ノ原先生が来て、救急に潤が来てるみたいって。
慌てて行ったらほんとに潤くんで…。
斗真くんが発作が治まりそうにないからって連れてきてくれたの。
コントローラーは持ってたんだけどリリーバーはもってなかったみたいで…。
コントローラー持ってたってことは多分、自分でも『マズイ』ってわかってたんだとは思うんだけど…。
ねぇ、あれ、翔くんが処方したの?」
頭の中を整理しながら翔くんに確認した。