ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
とろんとした顔の潤に僕の方のスイッチが入りそうだったけどそこはなんとか押し留める。
「じゃ、いい子で待ってるんだよ?
お兄ちゃん、なるべく早くお仕事終わらせるから…」
わざと小さい子に言い聞かせるようにしてカーテンを出た。
一応その辺にいたスタッフさんによろしくお願いしますって伝えて急いで小児科の医局にもどった。
ナースステーションに顔を出すとさっきの看護師さんが「これ」ってラップの掛かった皿を僕に渡してきた。
食べかけの栗鹿の子…。
ご好意はちゃんと受け取らないとね?
そう思って皿を受取りそのままこの2週間オフィス代わりに使ってる個室に入る。
デスクに置いてある電話の受話器を取り、押し慣れた番号をダイヤルした。
しばらくして聞こえてくる弟の声にテンションが上がったのは内緒。
『もしもし?智くん?
もう!なんで電話くれないの?』
「翔くん…第一声からそれって…」
思わずぼやくと倍返しで返ってくる。
『何言ってるの?
もうさ、俺、和たちに散々責められてさぁ…。
「智兄が電話してこないなんて翔さん、何したんですかっ!」って…』
LINEばかりで電話しない僕になぜか翔くんが責められてたみたい…。
ちょっと申し訳ないこと、したかな?
「それは…ごめん」
「まぁ…いいよ。
智くんの声、久しぶりに聞けたしね」
翔くんの声にほっと胸を撫で下ろした。