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ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー




「潤、だめっ!」


智兄の短く強めの口調に体かビクって震えた。

普段穏やかな智兄の厳しい声は本当にだめな時に聞こえるもの。

クレンメに掛けた手を反射的に引いた。


「なんで…?」


だって大丈夫って言ったじゃん!
もう帰るもん、俺。

そう思ってベッドサイドの白衣の智兄を見上げる。


「まだ、残ってるでしょ?

 混注してる薬剤、落としきらないとダメなの潤だってわかるでしょ?

 潤くんのこと聞いて医局抜けてきちゃったから、僕、一旦戻らないと…。

 だからね、ちゃんと落ちきるまでここで休んでて?

 あ、滴下速度変えちゃダメだよ?」


智兄が頭をポンポンしながら言う。


「…どれくらい?どれくらい待てばいい?」


「うーん、そうだね、2時間ぐらいかな?」


「………そんなに?点滴…終わってるよ?」


スタンドに引っかかったパックの残量を見ながら言う。

そんなに…待ちたくない。

多分ね、久しぶりの喘息発作だけでも参ってたのに2週間会えなかった智に会えてホッとしたのと同時にどうしようもなく甘えたくなったんだと思う。

いつもなら言えないけど…つい…言いたくなる。


「もっと早く…来て?」


そうお願いすると智兄はちょっと困った顔で俺を見た。


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