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ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー




「………わかった、やる…。

 だから…かえる…」


目をうるうるさせながらそういう潤の頭を撫でながらネブライザーマスクを口元にあてる。


「ん、潤はお利口さんだね」


目を瞑ってマスクを当てる潤の頭を何度も撫でる。

ネブライザーからの噴霧が終わるまでゆっくり背中を撫で続けた。

カチって音がして機械が止まる。

マスクを外して口元を拭いてあげると少し照れくさそうな潤くん。


「ちゃんと出来て偉かったね?」


「終わったから…帰る…」


「うん、その前にもしもしね?

 胸の音、聞かせてね?」


潤の顔を覗き込みながら言うと小さく頷く。

頷いてくれたことにホッとしながら手のひらで温めたチェストピースをそっと胸元にいれる。


「潤?深呼吸してくれる?

 スーハーってゆっくり息をしてね?」


僕の言葉にやっぱり小さく頷くとゆっくり呼吸をする潤くん。

丁寧に胸の音を聞いていく。


「背中も聞かせてね?」


僕の体に潤の体を凭れさせて背中からも音を聞く。

ゆっくりと聴診器をあてながら聞くけど気になる音は特に聞こえなかった。


「もう大丈夫そうだね。
 これなら帰れるよ。

 よかったね、潤、僕も安心したよ」


捲り上げたシャツを元に戻して潤くんの顔を見ながらニッコリ笑う。


「ありがとう、智兄。

 じゃ、これ、外していい?」


潤くんが点滴に手を伸ばしクレンメを閉じて針を抜こうとした。

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