ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
目が覚めて息苦しさがなくなってることにホッとして、目の前に大好きな智兄が居て…すごく嬉しかったのに…。
その智兄が聴診器を片手に笑ってる。
「やだ…智兄…しない…」
完全に俺、パニック。
だって…だって…。
「じゅーん?いい子だから…ね?
痛いことしないよ?
もしもしだけだから…大人しくして?」
う…嫌だ…。
ゆっくり近寄ってくる智兄。
どうしよう?どうしよう?
智兄の綺麗な手がシャツのボタンに触れる。
「やっ!だめっ!」
思わず智兄の手を払っちゃって…。
その拍子に智兄の聴診器が外れて床に落ちた…。
「あっ!」
やっちゃいけないことだってわかるけど…もう怖くなって掛かってた布団をかぶった。
どうしよう…智兄の大事にしてる聴診器…。
いくら嫌だって言ってもやっちゃいけない事のなのに…。
智兄…きっと怒ってる。
智兄に嫌われちゃう…。
そう思ったら涙が出てきて…被った布団を握る手に力が入る。
「潤、潤?泣かないで。
苦しくなっちゃうから…ね?
僕、怒ってないよ。
ごめんね?
急でびっくりしちゃったんだよね。
兄が悪かったね?
大丈夫だから…お顔見せて?」
「っく…さと…、にぃ…。
…めん…さぃ…、ごめ…なさぃ」
ゆっくりと捲られた布団。
でも…振り向くのは怖くて体を必死で丸めてる。
そんな俺の背中を智兄の手が上下に行き来した。