ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「彼に付き添ってきてたイケメンくんとねイノッチ顔見知りだったみたいでね?
で、すぐに五十嵐先生を呼びに行ったみたい。
だから俺が彼と先生の関係を知ったのはさっきイノッチから内線でね?
世の中狭いねぇ…」
そう言って笑う坂本先生。
そのまま次の患者さんのところに行くためにカーテンをくぐっていった。
坂本先生が出ていったあとの処置室でしばらく潤の寝顔を見ていた。
眠ってる潤くんは小さい頃と変わらず天使みたい。
「……んっ」
微かに聞こえた潤の声。
点滴の刺さってない方の手を握るとゆっくりと潤の目が開く。
「潤?わかる?」
「…さ…と…、に…い?」
「うん、そうだよ。
喘息の発作起こしたんだってね?
苦しかったね…」
「…ん、くるし…かった…」
「もう大丈夫でしょ?
念のため、胸の音、聞かせてね?」
首に下げたままの聴診器のチェストピースを手で温めながら言う。
うちの弟たちは医者のくせに揃いも揃って自分が診察されるのを嫌がるから…。
「やだ…いい…平気…だから」
案の定、首を振って小さな声で拒否する潤。
それを無視して電動ベッドのリモコンを押してベッドの背を立てる。
「やっ…だ、智にぃ…しない…」
「『しない』じゃないよ?
大きめの発作起こしたって聞いて診察しないなんてありえないでしょ?
それとも…ここの先生呼ぶ?」
嫌がるのをわかってて敢えて聞いてみた。