ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
声を上げた先生に驚く僕に、先生はニコニコ笑いながらいった。
「あぁ、どっかで見たことある顔だと思ったらそっかぁ…東京の五十嵐総合病院の末っ子先生かぁ…。
去年の救急の学会で会ったからなんとなく覚えてたんだぁ…」
うんうんと頷いて一人納得したような先生はそのまま僕に視線を移す。
「失礼しました。
ここのセンター長をしてます坂本です。
到着時は中発作を起こしかけている状態でした。
ステロイドの投与と気管支拡張剤で状態は改善されましたから安心してください。
もう少しモニターさせてもらって問題ないようなら帰っても大丈夫ですよ?」
人を安心させるような優しい笑顔で話す坂本先生に僕はお礼を言って頭を下げた。
「ありがとうございました。
このまま少し様子を見てからまだ少し仕事が残ってますので帰りにもう一度寄らせてもらいます」
「どうぞごゆっくり。
なにかあればスタッフに声をかけて貰って構わないので…。
あっ、あと井ノ原には俺から連絡しときますから…」
「すみません…。
あ、そういえば…なんで僕の弟だと…」
「わかったか?って?」
「はい、別にそんなに珍しい名字でもないですし…よく結びついたなぁって…」
「それはねぇ、イノッチのお陰ってやつね?」
坂本先生はイタズラっぽい顔で笑った。