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ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第1章 Doctor Call




『智くん?なんか疲れてる?

 俺の診察室すぐそこだから一緒に行こ?

 心配だから診察させてよ?』


さりげなく柱の影に智くんを移動させなざら言う。

患者さんたちの死角になる部分で話すに限る。

智兄、こう見えてプライド、高いから。


『え?いいよ…。

 もう、勤務終わりだし帰って寝るから。

 僕、元気だし。

 翔くんまだお仕事中でしょ?

 ほらほら!

 患者さん待ってるんじゃない?』


ニコニコ笑いながら明らかに言い訳じみたことを言う智兄。

妙にテンションが高いのもらしくない。


『それは平気。

 ちょうど予約が空いちゃったし、なんかあればPHSにかかってくるし』


『予約が空いたなら新患診てあげたら?』


『そこは後輩に経験積ませてやるのも先輩の仕事だから、問題ない』


『でも…やっばいいよ…。

 ほら、真面目にお仕事しておいで?

 じゃ、翔くんまたね?』


キラッキラの笑顔を残して立ち去ろうとする智くんの腕を掴んで目の前の壁に押し付ける。

ここで逃がしたら後で俺が後悔する。

ってかさ、こんなフラフラの人、医者が見過ごしちゃちゃダメでしょ?

兄弟じゃなくたって止めると思うけど?


『翔…くん?離して…?

 ここ、病院だし、見られたら困っちゃうじゃん?』


壁に押し付けた智兄が困った顔で目を潤ませながら言う。


『だったらちゃんと診察させて?

 じゃなきゃここで抱くけど?』


そのまま死角なのをいいことに口づけた。



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