• テキストサイズ

ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー




僕が走って駆けつけたのはこの病院の救急外来。

入り口の前で少し息を整えて中に入る。


「あのっ…」


たぶん受付担当の看護師さんに声をかけると僕の胸元のIDをちらりとみてにっこり笑った。


「五十嵐先生ですね?
 井ノ原先生から連絡を頂いてます。

 こちらです、どうぞ?」


そのまま看護師さんの後ろについて奥から二つ目のカーテンの中を覗くと…中に潤くんがいた。


「え?智先生?」


突然下の名前で呼ばれて驚いた僕は声の方に顔をむけた。


「あっ斗真くん」


潤の同級生の姿を見て全部繋がった。

そっかぁ…潤、スキーに来てたんだっけ…。
なんかそんなこと話してた気がする…。


「智先生、今、こっちに来てたんですね?
 だからかぁ…」


「へ?なに?」


斗真くんの言った意味がわからなくて聞き返したけど『なんでもないです』って誤魔化された。


「潤、宿で喘息の発作起こして…。

 シムビコートしかなかったみたいで…。

 収まる気配がなかったので本人は嫌がったけど…すいません、受診させちゃいました」


若干申し訳なさそうな顔の斗真くん。


「いや、ありがとう。
 ナイス判断だと思うよ。

 潤がわがまま言って、迷惑かけてごめんね。

 しかも旅行中に…」


「いや、それは気にしないでください。
 
 じゃぁ、俺、戻りますね?」


そう言って斗真くんは席を立った。
/ 194ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp