ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「…そうですね、今日は時間に余裕もあるのでご相伴に預かります」
そう言うとすごく嬉しそうな看護師さん。
あれ?もしかして失敗した?
でも今更だし…。
ちょっとだけ気合を入れて導かれるままにナースステーションの奥にお邪魔した。
「はい、どうぞ。
お口に合うといいんですけど…。
こっちの有名なお菓子で栗鹿の子と栗羊羹があるんですけど…栗はお好きですか?」
そう言いながら出されたのは見事な照りの蜜に包まれた栗ときれいな黄色の羊羹だった。
「うわー美味しそう!
いただきます!」
出してもらった緑茶と一緒に早速、一口。
「んんっ!おいしい!」
きっと翔くんも潤くんもすきだよなぁ…これ。
「あの、これどこで買えるんですか?」
出してくれた看護師さんに聞いてみる。
「お気に召しました?
駅前のビルにあるお店で買えますよ?
栗鹿の子は4社から出ててどれも味が違うので食べ比べも面白いかも。
今回のは小布施堂のものです」
「へぇ…それなら全部買ってみようかな?
皆で食べたら面白そうだし…」
「東京の医局へのお土産ですか?」
看護師さんが緑茶のおかわりを注いでくれながら聞いてくる。
「いや、弟たちです」
「え?
先生、弟さんがいらっしゃるんですか?」
看護師さんの質問に隠すことじゃないから素直に答えた。