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ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー




「五十嵐先生、お疲れ様です。

 お帰りですか?」


昼下がりのナースステーション。
医局に戻ろうとした僕に顔なじみになった看護師さんから声がかかった。

どこの病院でも看護師さんと上手くやれないと困るのは実は医者なわけで…。

だから愛想よく答えてみる。
これも、ドクターの処世術ってやつだと思う。


「いや、まだ帰れないんです。

 カルテ、整理しておかないと…。
 来週には東京に戻るので」


「え?
 もう、東京の病院に帰られるんですか?」


そんな明らかにがっかりした声を出さなくても…。


「もともと2週間の予定でしたし、予定してた手術も無事に終わって術後も安定してるので…。

 安心して戻れます」


にっこり笑うとなぜか顔を赤くする看護師さん。

ここ、小児病棟だからなのかなのかなぁ?ベテランママさんって感じのナースさんが多いんだよね。

目の前のナースさんもお子さんがいるって聞いたけど…。
どうして顔を赤らめるんだろう?

まぁ、いいか?


「あ、そうだ!

 五十嵐先生、甘いものお好きって聞いたんですけど…。

 頂きものがあるのでよかったら召し上がりませんか?

 時間的にもちょうどいいと思いますが…いかがでしょう?」


ちらりと腕時計を見るとちょうど15時。

患者さんのことですこしお願いもしたいし…お言葉に甘えようかな?



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