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ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第1章 Doctor Call




「手を出したなんて心外だなぁ」


翔兄が整った顔をわざとしかめていかにも私、傷付いてますって顔で言う。

ふん、そんなのに誤魔化されませんから!


「心外ねぇ…。

 だったらなんで智が内科の処置室で寝てるんですか?

 翔さんがなんかしたからでしょ?」


「翔さんって…。

 そんな他人行儀な呼び方されるとお兄ちゃん悲しいよ…」


「泣き真似したって無駄ですからね!

 ちゃっちゃと白状してください!」


「おおっ、怖っ。

 そんな顔するなよ?

 和の可愛いお顔が台無しだろ?」


にやっとこっちを見る翔兄。

僕がその顔に弱いの知っててやるから質が悪い。


「和も疲れてるんだろ?

 だからそんなにイライラしてるのかな?

 ほら、おいで?」


甘い声で僕を呼ぶ。

…ほんと、ずるいよ…。


でもその誘惑に抗うのにはかなり理性と根性が必要で…。

夜勤明けでへろへろの僕はつい負けそうになる。


「別に…イライラなんてしてないし…」


「そうなの?

 まぁいいや。

 とにかくおいで?」


負けたくないと思いつつ…結局は負けちゃうんだよなぁ…。

気がつけば翔兄に抱きしめられてる僕。

でもこれで引き下がる気はない。


「抱っこじゃ誤魔化されないからね…。

 翔兄、教えてください、理由を…」


「わかったよぁ」


翔兄が僕の背中を宥めるように摩りながらその時の状況を話しはじめた。

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