ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第1章 Doctor Call
「どうする?このまま寝てる?」
スエットに着替えた智兄に聞く。
熱もあるし休めるなら休ませたほうがいい。
「それともなんか食べれるから用意するよ?」
熱のせいで潤む瞳が俺を捉える。
このまま見つめられたら…おかしくなりそうだ。
そっと視線を外して、下に必要なものを取りに行こうとする俺のルームウェアを掴む手。
「智くん?」
「いか…ないで……」
不安そうな顔で言うなよ…。
「わかった…いるから…ね?」
泣きそうな顔をする智くんの手を自分の手で包む。
「そんな顔しないでよ…。
抱きたくなるじゃん?」
「……じゃあ…抱いて?」
珍しいこと…言うじゃん?
普段、自分から誘うことなんて皆無なのに…。
兄弟の誰よりも強くて弱い智くん。
俺の一番大事な人…。
「だーめ。
体調不良の兄を襲うほど、獣じゃないよ?」
「僕が…抱いてほしいのに?」
「それ、熱のない時に言ってよ?
そしたらさ…溶かしてやるから…」
「ばか…いじわる……
も…いいもん…」
そのまま布団を被る智兄。
やべー、拗ねちゃったよ…。
でもねぇ…。
「ごめん…。
ねぇ、出てきてよ。
熱、上がっちゃうよ?」
膨らんだ布団を撫でながら言うけど出て来る気配が無くて…困ってるところで扉が開いた。