ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第1章 Doctor Call
ふわふわ体が浮いてる気がして不安になってそばにあるものを掴む。
「ん?どうした?大丈夫だからね?」
聞こえてきたのは翔くんの声。
大好きな低く艶のある声。
安心したら力がぬけた。
そのままゆらゆら揺られてたのに背中が何かにくっつく感覚がして…ゆっくり目を開けた。
「智くん、そのまま寝てて?」
翔の声が聞こえて、すぐにパタパタと足音が聞こえてくる。
扉の開く音がして、目線を向けると着替えながら翔が入ってくる。
手には僕のスエット。
「そのままじゃ、休まらないでしょ?
着替え、手伝うから」
「大丈夫、自分で着替えられるから…。
ちょーだい?」
翔に向かって手を伸ばす。
「はい、どーぞ?」
笑いながら素直にスエットを差し出す翔。
礼を言って受け取る。
着替えようとするのに一向にベッドサイドを離れようとしない。
恥ずかしいからどいてほしいのに口じゃ負けるから…黙って背を向けて着替えることにした。
でも…背中に翔の視線を感じるせいで上手くボタンが外せなくて…。
「智くん?
ほら、こっち向いて?
ボタン、はずしてあげる」
疲れきった僕に翔くんに抗う力は無くてあっと言う間に身体の向きを変えられる。
いつもは不器用な指がビックリするほど素早く動く。
気がつけばシャツを脱がされて、下に着てたTシャツも剥ぎ取られてすぐにスエットを着せられた。