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ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第1章 Doctor Call




雅紀が智くんを抱っこしながらなんか話してる。

我が家の癒し系が揃ってるせいかマイナスイオンの放出っぷりが半端ない。

車が見えてきたから少し歩く速さを上げる。


「和、俺、先に車の鍵、開けてくるから。
 ゆっくりおいで?」


雅紀を追い越して車に乗り込み、エンジンをかけてエアコンをいれる。

後部座席のドアが開いて雅紀が智くんを丁寧にシートに下ろした。


「翔兄?
 智兄、昨日からほとんど食べてないんだって。

 胃の調子が良くないみたい。

 熱もあるし、過労が原因だと思うけど帰ったら念の為に見てあげてね?」


智兄のイヤイヤに負けて出来なかった問診が終わってる…。

バックミラーごし視線が合う。


「翔兄?俺、これでも小児科医よ?

 イヤイヤする子の問診、得意だから!」


笑いながら言う雅紀に智兄がふくれっ面で「子どもじゃないし…」って言ってるけど。

いやいや…あの様子は十分に子どもでしょ?


「子どもじゃないならちゃんと翔兄に診てもらいなよ?

 さとちゃんが病気になったら俺達心配なんだからね?」


「むぅ…まぁちゃんのいじわる…」


「『意地悪』じゃないでしょ?」


追いついた和が車に乗り込む。


「じゃ、俺、戻るね?」


雅紀が智くんにキスしながらそういうとあっという間に白衣を翻して戻っていった。


「ほんと、さわがしいんだから…」


なんて言ってる和の顔はちょっと嬉しそうだった。

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