ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第4章 舞賀家物語 1
「あ、じろくん、おかえり。
四郎ちゃんも五郎ちゃんも早く入って着替えてね!
ご飯出来てるから3人とも急いで?」
緑のエプロンをしたさぶくんがいつものように笑いながら俺たちに声をかけた。
「じろ、早く入ってください。
後ろつかえてますから」
俺の肩に手を乗せた四郎兄が促す。
「一郎はこのまま風呂場だな。
四郎、鞄頼むね」
イチくんを抱き上げた五郎兄が先に部屋に入っていく。
「そんな顔、しないの。
1人で悩まなくていいから…」
「さぶくんっ、なんでっ」
優しく微笑むさぶくんは俺の質問には答えずに中に入っていく。
「あれでも一応精神科医の卵ですよ、さぶは。
まあ、そうじゃなくてもわかると思いますけどね?
私たち、だいぶブラコンだっていうのは自覚してますからね。
じろにとっては弟はいちだけですが、私たちにはじろも大事な弟なんですよ?
まぁ、その件はおいおい解決することにして…まずは夕飯にしますよ。
ほら、ぼさっと立ってないでさっさと入って着替えてらっしゃい」
笑いながらも目は真剣な四郎兄。
俺は頷いてその指示に従うしかなかった。