ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第1章 Doctor Call
「和ちゃん、もう、今日は終わり?」
雅兄にそう言われて思い出した。
「あっ、やばっ。
兄たち待たせてるんだ!」
「え?さとちゃんと翔ちゃんと帰るの?
いいなぁ。
俺もお見送りに行く!」
雅兄は勝手に決めちゃってそのままロッカールームに連行された。
ドアをノックして中に響く声で「入りますよー」って言いながら入っていく。
「その声は…雅紀?」
翔兄が着ていた白衣をクリーニングボックスに入れに来る。
「そうだよ、オレオレ。
もう帰るって言うから顔見に来たのー」
「『顔見に来た』って…今朝、一緒に出勤したじゃん?」
翔兄が自分の事を棚にあげてもっともらしいことを言ってる。
その間に自分のロッカーに行くと着替え終わった智兄が置いてある椅子にぼーっとした様子で座ってた。
本当に疲れてるんだなぁ…。
そう思ったら一刻でも早く連れて帰りたくてダッシュで着替える。
「智?これ、洗濯に出しますからね?」
置きっぱなしのスクラブとスラックスを自分のと一緒にクリーニングボックスに入れる。
「翔兄…もぅいっかい…」
まーくんの甘い声が聞こえてきて、それに続く水音にこっちが照れる。
ふらふらっと智兄が立ち上がってそのままこっちに歩いてくる。
「まぁちゃんと翔?」
小さく尋ねる智兄に頷く。
「なかよしでいいねぇ」
小さく微笑む智兄の唇を塞いだ。