ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第4章 舞賀家物語 1
「バカですねぇ、あやまる必要なんてないですよ」
俺の通学鞄を手に取るとさっさと歩き出した四郎兄。
俺も慌てて追いかける。
四郎兄の手にあるのは俺の鞄だけで…。
「ごろくんも私も予想より早く終わっただけです。
いちいち気にしなくていいんですよ、じろは。
もっとね、甘えなさい。
じろは私たちの弟なんですから…。
ねぇ、ごろくん?」
いつの間にそこには五郎兄がいて、四郎兄がさも当たり前に話を振っている。
明らかに何の話だ?と言う顔の五郎兄。
でも俺の顔を覗くと後部座席のドアを開けながら言ったんだ、「そんなに急いで大人になんなくていいよ」って。
言葉こそ違うけど言ってる意味は一緒だった。
「嫌でも大人になんなきゃいけない時が来るから…それまでは子どもの立場をフル活用しとけ。
まぁ、どんなに大人になっても、お前も三郎も一郎も俺達の弟だから…甘えればいいんだよ」
「私とごろくん、まぁ、さぶもそこそこ親に甘えてきましたからね。
2人の分もじろといちを甘やかすのが我々の役目なんです。
だからね、じろはじろのやりたいようにやればいいんですよ」