ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第4章 舞賀家物語 1
コンコンって生徒会室の扉をノックする音が聞こえた。
五郎兄が何気ない仕草で解錠して扉を開けるとそこにはもう1人の兄の姿。
「ああ、ごろくん、ここに居たんですね。
教頭が探してましたよ?」
「うわ、マジで?
んじゃ、俺行くわ」
中に入ってきた四郎兄とすれ違いで五郎兄は出ていった。
「あとどれぐらいで終わるんですか?」
ちらりとパソコンに目をやった四郎兄の問いに『あと30分くらい』と大まかな目安を伝える。
「分かりました。
じゃぁ終わったらそのまま職員用の玄関に来てくださいね。
一緒に帰りますから」
ニッコリと笑う四郎兄。
笑顔はイチくんに似てると思う。
四郎兄が可愛い系イケメンと言われるのがわかる気がする。
「どうしたんですか?
私の顔をじっと見て…。
そんなに見つめられたら穴が開きます。
それとも…なにか後ろ暗いことでもあるんですか?」
にこやかに怖いことを言う四郎兄に慌てて首を振る。
痛くもない腹を探られるなんてゴメンだから。
「ふふふ、昼間のいちの件なら全く心配してませんよ。
じろがきっちり処理してる事なんて聞かなくても分かりますからね」