ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第4章 舞賀家物語 1
「あぁ、四郎も知ってるよ。
ってか四郎から聞いたんだもん、俺」
うわっ、マジか…。
世間的には濃いめ顔で怒る五郎兄がうちで1番怖いと思われてるみたいだけど…。
普段、ニコニコと可愛い顔をしている四郎兄の方が数段怖いというのが俺とさぶくんの共通認識。
まぁ、本当の意味で最強なのはイチくんなんだけど…。
「で、解決したんだろ?」
四郎兄が既に知ってるという事実に若干の戦慄を覚えて思考の海に落ちかけた俺を引っ張り上げるようなタイミングで五郎兄が聞いていた。
思いっきり頷いた俺の頭をよくやったと言うようにポンポンと叩く。
俺は兄貴達はイチくんにだけ甘いと思ってるけど、さぶくん曰く四郎五郎コンビは俺にも甘いらしい……。
「ありがとうな。
さすがに俺達が言う訳にもいかないからどうしようかと思ってたんだよ…。
まあ、二郎なら俺らが言う前になんとかしてるとは思ったけどさ?」
俺の目を見ながら言う五郎兄。
なんか信頼されてるって感じで素直に嬉しいと思った。
「だって…イチくんに怖い思いさせちゃったし…。
俺自身、まじムカついたから…」