ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第4章 舞賀家物語 1
結局、昼休み終了の予鈴がなる頃までゆっくり食べてた一郎くん。
なんとかお弁当を完食できて俺もほっとしたわけで…。
さっきみたいなことが起こると困るからいつもなら生徒会室から出ていく一郎くんを見送るだけだけど俺も荷物を纏めて中等部の校舎近くまで送っていく。
中等部の校舎に高等部の制服だと目立つがそんなこと言ってられない。
むしろ、バックに高等部の人間がいることを示しといた方がお守りになるだろうし…。
「じろちゃん、ありがとう」
そう言ってにぱっと笑う一郎くん。
「イチくん、帰りは?
今日はさぶくん、来てくれるの?」
過保護と言われようと1人で帰す気は無い。
今日の当番は三郎くんがだけど研修医2年目が忙しいのは知ってるから…。
もし来れないなら今日の放課後の予定を全部クリアにするだけだ。
そんな俺の気持ちを知ってるのか知らないのか、一郎くんはにっこり笑って一言「さぶちゃん来れるって」って。
ちょうどその場にいた同級生と思しき子と歩いて行ってしまった。
後ろ姿を見送りながら俺もその場にいる訳にも行かないのでダッシュで教室に戻った。