ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第4章 舞賀家物語 1
いつもなら退屈な木曜日の午後は、あの3人をどうやって締めようか考えてるうちに終わってた。
放課後、生徒会室で1人、今年度の文化祭の素案作りをする。
前期が終われば会長職はおわり。
本来なら2年の後期からだろうところを前会長にいいようにされて継いだのは1年の後期。
ほんと、俺、よくやってるよね…。
2度目ともなれば慣れたもんで去年の結果を元に過去何年か分の予算の傾向を見ながら骨子をつくる。
作業の合間に窓の外を見ると、校門をゆっくりと入ってくる1台の車が目に入った。
こんな時間に入ってくる車なんて珍しいなぁとは思ったけど、ナンバーを見て合点がいった。
【11-26】
三郎くんが免許を取ったお祝いと言ってじいさんがプレゼントした車。
贅沢だなぁって思ったけど曰く、税金対策ってやつらしい。
で、三郎くんが選んだのはいわゆるSUV。
パールホワイトの車でさぶくんか唯一こだわったのはナンバーだった。
自分の誕生日じゃなくてイチくんの誕生日にしたんだよね…。
それを見てやっぱりうちの兄弟って本気でイチくんのことが好きなんだって思っちゃったもん。