ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第4章 舞賀家物語 1
「やっぱり、僕とお昼なんて嫌だった?
それなら僕……」
回れ右しようとする一郎くんを慌てて止める。
「違うよ、ごめん。
イチくんに怖い思いさせちゃったのがムカついただけだから…」
「ほんと?」
一郎くんが澄んだ瞳で見あげながら聞いてくる。
「ほんと」
「ほんとのほんと?」
「ほんとのほんと!」
「ほんとのほんとのほんと?」
「ほんとのほんとのほんとだよ」
小首を傾げて聞いてくる姿はまさにエンジェル!
俺の言葉にようやく笑ってくれた一郎くん。
よかったぁ。
そのまま時計を見るとやばい!
早く食べさせないと、ドSの四郎・五郎コンビに怒られる。
内心の動揺を悟られないようにしつつ、手にしていた袋から弁当箱を取り出す。
「はい、これ。
イチくんのお弁当」
青いナプキンに包まれた小ぶりのお弁当。
俺からすると間違いなく足りないが少食の一郎くんにはちょうどいいサイズなんだとさ…。
それにしても小さい。
俺が小三の時に使ってたのと同じサイズだぞ、それ。
「ありがとう!じろちゃんは?」
「ん?あるよ、ほら」