ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第4章 舞賀家物語 1
さすが、舞賀家の最終兵器。
この可愛さに勝てるやつなんていないよねぇ。
腕にくっついてきた一郎くんの腰に手を回し歩き出す。
「イチくんのことは俺が絶対に守るから。
何かあったら直ぐに言うんだよ?
じゃ、お昼ご飯にしようか?」
何事もなかったように過ぎ去ろうとした俺たちに上田たちが大声で謝ってきた。
「二郎先輩!すみませんでした!」
折れるんじゃないかっていう勢いで頭を下げる3人に『続きは放課後な』と言いおいて生徒会室に向かう。
一郎くんと会った場所から数十歩で着いた生徒会室。
普段は施錠されてるこの部屋の鍵があるのは俺の手のひらの中と職員室の先生用の鍵BOXの中だけ。
だから、俺は昼休みのほとんどをここで過ごす。
誰にも邪魔されず過ごせるからね。
この春、中学生になった一郎くんとのランチもここでとる事にしたんだけど…。
失敗だったかな?
あれは想定外だった…。
「ちくしょう…」
「じろちゃん?」
思わず口から出た怨嗟混じりの一言に一郎くんが怯えたような顔で俺を見た。