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ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】

第4章 舞賀家物語 1




「……イチくん、こっちにおいで?

 怖かったね?」


「え?」


俺の一言に3人の顔が強ばった。


「じろちゃん!」


いつもの様に俺の名前を呼ぶとその3人の横をすり抜けて一郎くんがぱふって音がしそうな勢いで俺に飛びついてきた。

まるで子犬のようにあどけない瞳で俺を見る一郎くんは本当に可愛い。

真新しい学ランは少し大きめに作ったせいかまだブカブカでそうでなくても華奢な一郎くんをより可憐に見せる。


「で、改めて聞くけどさ…?

 俺の大事な弟に何してたの?」


「いや…あの…なにか…なんて…」

「まさか…二郎先輩の弟さん…だとは…」

「確かに二郎先輩に似て…とても賢そうで…」


しどろもどろで言い訳をする3人。


「イチくん、大丈夫?

 ごめんな、こいつらに何かされた?」


頭をポンポンと撫でながら聞くと、フルフルと頭を振ってにぱっと笑う一郎くん。


「平気だよ!

 なんにもないよ。

 …ちょっと怖かったけど、じろちゃんが助けてくれたもん!

 やっぱり、じろちゃんはカッコイイね!」


ふふふと笑いながら俺を見上げる目に俺がノックアウトされそうだよ。

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